そっくりさんの花シリーズ2
『アオイ科の花の見分け方と花言葉』
フヨウ、ムクゲ、タチアオイは南国を彷彿させるようなハイビスカスに似た花です。ハイビスカスもアオイ科フヨウ属の花なので似ているのも当然ですね。
アオイ科の花は日本では遥か昔から愛でられていた花の一つです。
アオイ科の花の見分け方
アオイ科の花は、ひらひらとした大きな花びらと大きな雄しべが特徴的で、青々とした夏らしい葉と色鮮やかな花のコントラストがとても華やかで目を惹きます。真夏は意外と花が少ない時期なのですが、アオイ科の花は梅雨明け頃から秋口までの長期間、私たちの目を楽しませてくれる夏の貴重な花です。庭木や街路樹、公園など至る所で観賞用に栽培されているのを見ますよね。
見た目はとても似ているアオイ科の花ですが、それぞれの特徴や見分け方をご紹介します。
■フヨウ(芙蓉)
四字熟語の「芙蓉覆水(ふようふくすい)」や「太液芙蓉(たいえきのふよう)」の「芙蓉」は蓮の花のことです。
フヨウの花の特徴は、花弁が5枚で回旋したお椀状の形をしています。八重咲きの種類もあります。花は一日でしぼんでしまいますが、次々と新しい花が開花します。
雄しべの先が上向きなのも特徴です。
見分け方は「葉の形」です。フヨウの葉は大きくカエデの葉のような形をしています。
株全体は横に広がり成長します。
アオイ科フヨウ属の落葉低木
花の色:ピンク、白
開花期:7月~10月上旬
ちなみに、アオイ科のなかでも一段と大きな花を咲かせる「アメリカフヨウ」は草芙蓉で、花木ではなく草本になります。
アメリカフヨウ
■ムクゲ(木槿)
また、『人の栄華は儚い』というたとえの四字熟語「槿花一朝(きんかいっちょう)」や「槿花一日の栄(きんかいちじつのえい)」の「槿花(きんか)」はムクゲの花を指し、開花の短さになぞらえています。
花は5枚の花弁がやや重なって並び、雄しべは真っ直ぐに伸びています。一重咲きがほとんどですが、半八重咲き、八重咲きもあり、株全体は上に伸び成長します。
特徴的な葉は鋸歯で細長い形です。
アオイ科フヨウ属の落葉樹
花の色:白、ピンク、赤紫、複色
開花期:6月~10月上旬
■タチアオイ(立葵)
垂直に伸びた茎の下から上へと花を咲かせ、先端の方に花が咲き始めるころに梅雨が明けることから「梅雨アオイ」とも言われます。
花は一重咲き、八重咲きがあり、色の種類も豊富です。
枕草子や源氏物語、万葉集などの和歌には、タチアオイの垂直に立ち日に向かって咲く姿を勇ましさにたとえたり、花の美しさを愛しい人にたとえ詠まれています。
また「徳の高い人を慕うこと」「君主に対する忠誠心のたとえ」として『葵藿の志(きかくのこころざし)』という言葉がありますが、これもまたタチアオイの茎が真っ直ぐに伸び、太陽を仰ぐように咲く姿に気高さを感じ、自身の忠誠心と重ねた言葉です。
英名は、十字軍によってシリアからヨーロッパにこの花が持ち込まれたことに因み「聖地の花」の意味を込めて「ホリホック」と呼ばれています。
アオイ科タチアオイアオイ属の多年草(種類によっては一年草)
花の色:赤、ピンク、白、黄色、黒紫など
開花期:6月~8月
アオイ科の花の花言葉
そんなアオイ科の花の花言葉は、きっと素敵なもののように感じます。では、さっそく見ていきましょう。
■フヨウ(芙蓉)の花言葉
「繊細な美」「しとやかな恋人」「美人」「妖艶」「幸せの再来」「富貴」
8/5、8/25、8/27、9/3、9/8、9/10、9/14、10/17、11/6、11/10の誕生花
8/5、8/25、8/27、9/3、9/8、9/10、9/14、10/17、11/6、11/10の誕生花
■ムクゲ(木槿)の花言葉
「信念」「信仰」「新しい美」「尊敬」
2/22、3/22、8/26、9/11の誕生花
2/22、3/22、8/26、9/11の誕生花
■タチアオイ(立葵)の花言葉
「野心」「大望」「豊かな実り」「高貴」「率直」「気高く威厳に満ちた美」
5/22、6/15、6/18、6/20、6/21、6/23、7/8、7/18、8/18の誕生花
5/22、6/15、6/18、6/20、6/21、6/23、7/8、7/18、8/18の誕生花
まとめ
夏の強い日差しの中で次々と花を咲かせるアオイ科の花は、可憐な花にもかかわらず力強く「新たな命」を生み出す生命力に満ちあふれた花ですね。