伝統的な和楽器の新たな魅力を世界に発信


伝統的な和楽器の新たな魅力を世界に発信 伝統的な和楽器の新たな魅力を世界に発信
日本の伝統芸能と聞いたら何を思い浮かべますか?
「歌舞伎」「日本舞踊」「能楽」「狂言」「雅楽」などでしょうか。古来より脈々と受け継がれてきた、日本の歴史ともいえるものですね。

さて、様々な伝統芸能がありますが、そのほとんどの芸能に欠かせないものが『和楽器』です。近年では歌舞伎などの海外公演やYouTubeなどの動画配信により、海外の人も和楽器に魅力を感じ、日本へ習いに留学してきている人達もいます。
日本国内においても、和楽器を習いたいという人が増えているそうです。

日本の伝統的な美しさを表現する和楽器

日本の伝統的な美しさを表現する和楽器 日本の伝統的な美しさを表現する和楽器
そもそも和楽器とは、古来より日本で演奏されてきた楽器のことをいいます。雅楽に使われる「笙(しょう)」「琵琶(びわ)」「筝(そう)」「楽太鼓(がくだいこ)」など、中国などの大陸から伝わってきたものもありますが、日本にあった独自の楽器や歌、踊りと合わさり、「能楽」や「歌舞伎」などの日本芸能になくてはならないものとなりました。

歌や舞は神話や物語を語り伝えるもので、そのなかで和楽器は単なる伴奏ではなく、物語の情景や登場人物の心情を表現する役割をしています。和楽器が流れをつくり抑揚で感情を揺さぶり、見るものを物語の世界へ誘っていくようです。

本来、和楽器を演奏する場は、お座敷や神殿、能舞台のようなそれほど広い場所ではなかったので、洋楽器ほど長く響き渡るような作りではありません。
それは和楽器の音色へのこだわりと言えます。意図的に作り出される雑音やかすれなど極めて繊細な音色の変化を重んじているため、洋楽器がより機能的に改良されてきたのに対し、和楽器は繊細な音色を追求しより情緒的な音色を表現できるような形になってきたのでした。

和楽器の魅了される音色の要因とは

和楽器の魅了される音色の要因とは 和楽器の魅了される音色の要因とは
繊細な音を尊重している和楽器ですが、確かに「噪音(そうおん)」とよばれる雑音やかすれが良いアクセントとなり、聴き心地の良い音色となっています。

そんな和楽器の音色には、ヒーリング効果があるとされている「1/fゆらぎ」があるとそうです。「1/fゆらぎ」とは、波の音やそよぐ風の音、鳥のさえずり、焚き火の炎の揺れ、蛍の光などにみられる「不規則なゆらぎ」のことです。

自然界においては規則的なものはなく、必ずゆらぎが存在しています。そのなかでも、心が落ち着き居心地が良いとされているのが「1/fゆらぎ」なのです。

自然とともに生きてきた人間にとって「1/fゆらぎ」を感じられる和楽器の音色は、心地の良い音色であり懐かしさや安心を感じるものなのですね。

世界で活躍する和楽器演奏者

近年では伝統芸能で目にするだけでなく、日本のサブカルチャーでもあるアニメやバンドなどの影響で、若者や海外でも和楽器に関心が向けられています。

なかでも海外でも活躍している和楽器演奏者たちが、ロックミュージックやクラシックなどと融合させ新たな和楽器の魅力を発信している影響が大きいのではと思います。

知っている方も多いと思いますが、海外でも人気の高い和楽器演奏家、グループをご紹介いたします。

吉田兄弟

吉田兄弟 公式サイトより 吉田兄弟 公式サイトより
画像:公式サイトより

三味線を長唄や日本舞踊、祭事といった敷居の高いものから、もっとポピュラーに聞けるものなのだと世の中に知らしめてくれたのは、吉田兄弟ではないでしょうか。

三味線のなかでも難しいとされている津軽三味線を、力強くも楽しそうに奏でるお二人の演奏は聞いている人達も血が躍るようなワクワクとした気持ちになります。

「津軽じょんがら節」や「あいや節」などの伝統音楽はさることながら、ロックやテクノなどとコラボしたオリジナル曲「RISIN」「鼓動」「Change」「Cool Spiral」などCMソングや格闘技の入場曲としても起用されています。

♠参照:
吉田兄弟 公式サイト
吉田兄弟 YouTube

桜men

桜men 公式サイトより 桜men 公式サイトより
画像:公式サイトより

桜menは尺八演奏家でリーダーの中村仁樹さん、和太鼓演奏者の古里祐一郎さん、津軽三味線奏者の匹田大智さん、和太鼓奏者の花原京正さん、和太鼓奏者の花原秀正さん、箏・三味線奏者の大川義秋さん、尺八篠笛奏者の佐藤公基さん、箏・三味線奏者の本間貴士さん、ボーカリストの暦さんの9人で構成されたイケメン和楽器演奏集団です。

ルックスだけでなくメンバー全員が一流の実力を兼ね備え、圧倒的な表現力で和楽器を奏で多肢に渡って活躍してます。

「仮面ライダーシノビ」の主題歌や、アニメ「ワンピース」ワノ国編のBGMを担当するなど、子供から大人までを魅了するクールでポップな和楽器演奏が人気を博しています。

♠参照:
桜men オフィシャルサイト
桜men YouTube

和楽器バンド

和楽器バンド 公式サイトより 和楽器バンド 公式サイトより
画像:公式サイトより

「千本桜」で一躍有名になった和楽器バンドは、その名の通り和楽器を中心としたロックバンドです。ボーカルの鈴華ゆう子さんは詩吟師範という肩書をもち、詩吟で培われた伸びやかでうねりのある力強い歌声で、ボーカロイド曲も見事に歌い世界を魅了しています。

和楽器バンドは鈴華ゆう子さんが「伝統芸能をよりポップに世界へ広げたい」という思いで呼びかけ結成されました。
鈴華ゆう子さん(ボーカル)、いぶくろ聖志さん(箏)、神永大輔さん(尺八)、蜷川べにさん(津軽三味線)、黒流さん(和太鼓)、町屋さん(ギター・ボーカル)、亜沙さん(ベース)、 山葵さん(ドラムス)の8名による詩吟、和楽器とロックバンドを融合した新感覚のロックエンターテインメントバンドです。

メンバーは師範やプロ集団、海外公演、異業種とのコラボレーションなど各々輝かしい経歴をもつ超一流演奏家の和楽器ロックバンドです。

♠参照:
和楽器バンド オフィシャルサイト
和楽器バンド YouTube

AUN J(アウン ジェイ) クラシック・オーケストラ

AUN J クラシック・オーケストラ 公式サイトより AUN J クラシック・オーケストラ 公式サイトより
画像:公式サイトより

「音楽には、国境はないが私たちの音楽には国籍はある」をコンセプトのもとに結成されたAUN J クラシック・オーケストラ。

井上良平さん(和太鼓、三味線)、井上公平さん(和太鼓、三味線、笛)、石垣征山さん(尺八)、山田路子さん(篠笛)、市川慎さん(箏)、山野安珠美さん(箏)、尾上秀樹さん(中棹三味線)の和楽器のみで構成されるユニットです。

単独ライブのほかにクラッシック・オーケストラや様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションコンサートや、「和楽器でアニソン」など世代や国境を超えて和楽器の演奏を楽しめる取り組みをされています。

♠参照:
AUN J クラシック・オーケストラ オフィシャルサイト
AUN J クラシック・オーケストラ YouTube

まとめ

伝統的な和楽器の新たな魅力を世界に発信 まとめ 伝統的な和楽器の新たな魅力を世界に発信 まとめ
和楽器はどの楽器も演奏が難しく、特に楽譜は楽器ごとに譜面の表記が違います。洋楽器の楽譜のように、どの楽器にも共通する五線譜表現ではないのです。見慣れない記号で表記された楽譜を読めるように習得するだけでもとても難しいことなのです。同じ楽器でも、流派により譜面の表記が違うものもあります。独学でやろうと思ってもできるものではありません。

古典音楽には譜面さえもなく、口伝えで継承されているものもあります。だからこそ、和楽器の魅力をもっと多くの人に知ってもらい、日本の伝統芸能を末永く継承していってほしいですね。

自分も和楽器を習いたいと思われた方、是非一度体験してみてはいかがでしょうか?

【太田市近郊の和楽器教室】

■箏奏者 本間貴士 official web site
箏・十七絃・三味線
群馬県太田市植木野町722-2

■和太鼓三日月【和太鼓】 大原町教室
和太鼓
群馬県太田市大原町505-2 藪塚本町文化ホール カルトピア

■杵屋五英治
三味線・長唄・邦楽教授所
群馬県太田市西本町16-22

■齋藤音楽教室
箏・十七絃
群馬県太田市宝町778

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