法事では、なぜ鮨屋が人気なのか?


法事では、なぜ鮨屋が人気なのか? 法事では、なぜ鮨屋が人気なのか?
故人を偲ぶ仏教式の法事が行われるときに、儀礼の他に考えなければならないことはお食事ではないでしょうか?
セレモニーセンターで食事までを含めて執り行ってくれるところもありますが、食事は場所を移して行う場合もあります。

法事の食事ですので食事会場として真っ先に考えられるのは、
「日本料理店」「割烹料理店」「鮨屋」ではないでしょうか?
法事の食事は大抵の場合、和食であると思います。
フレンチや中華といった料理は、お祝い事の場合とは違いあまり聞いたことがありませんね。

中でも法事の食事会場として、人気があるのは割烹料理でもある鮨屋であります。
なぜ法事の食事会場として鮨屋の人気が高いのでしょう?
ここでは、鮨屋の人気が高い理由と、法事と料理に秘められたお話をいたします。

法事の食事とは


仏教式の法事の食事は、「お斎(とき)」と呼ばれています。
故人の供養のために僧侶によって読経が行われる法要の後の会食を「お斎(とき)」と言い、「お斎」までを含めて法事とされています。

法事は故人が転生するための重要な時期に行われますが、法事の最後にあたる「お斎」は僧侶・参会者への感謝と故人を偲ぶために行われるので、法事の儀礼のなかでも大切な事であることがわかります。

■参照:【葬儀・法事の用語】「お斎」とは?「お清め」とは?|ライフサポートプラス

法事で寿司が重宝される理由


かつては、仏教の戒律に基づき「お斎(とき)」の料理も精進料理だったようですが、次第に『おもてなし』という観念からごちそうを囲み故人を偲ぶ会食になりました。

とはいえ、精進料理の流れも重んじられていますので、「天ぷら」「煮物」「香の物」「吸い物」といった料理は欠かせません。

その上で僧侶や参会者への『おもてなし』ですので、手の込んだ料理が振る舞われる割烹料理は美味しいのはもちろんの事、目にも鮮やかで皆さまに喜んでいただけます。

「割烹」とは、会席料理・懐石料理・精進料理の呼称であり、それに創意工夫がほどこされた比較的高級な料理です。

割烹料理には、季節の旬な野菜や山菜、海の幸が彩り豊かに使われています。
その中でも、やはりメインとなるのは高級食でもある寿司ではないでしょうか?

法事会食で鮨屋が人気なわけ


寿司へのこだわり


寿司は見た目が華やかになるだけでなく、握り寿司にはネタの善し悪しがはっきりと表れ、握り一つにしても高い技術が必要とされます。
「天ぷら」「煮物」「香の物」「吸い物」などの他の料理も、寿司が美味しかったどうかで料理全体の満足度が格段に違うでしょう。

例えば、鮨屋以外の会食であった場合、おそらく「天ぷら」「煮物」「香の物」「吸い物」「寿司」と料理内容としては似通ったものが用意されると思いますが、「寿司」は他の料理と並列であり、料理全体のほんの一部として添えられているのではないでしょうか?
それが、鮨屋であれば「寿司」へのこだわりは別格です。

葬儀や法事にはお金がかかりますので、会食にそれほどお金がかけられないということもあります。
そのような時にも、他の料理も引き立てるこだわりの「寿司」があれば、参列者への感謝の気持ちが十分に伝わる『おもてなし』がなされることと思います。

鮨屋の雰囲気


法事は故人を偲ぶ会食でありますので、慎んだ雰囲気の場であることも重要です。また、料理を提供する側の作法も参列者にみられています。
料理が美味しくとも、提供する側の作法がなっていないと参列者が受ける印象としては「この程度のもてなしか。」と、なりかねません。

どんな食事でもそうですが、料理は店の雰囲気を含めて満足か否かのお気持ちをお持ち帰りいただくものだと思います。
ですので、どこを会場にするかというのがとても大事になります。

懐石料理をうたっている鮨屋であれば、料理はもちろんの事、日ごろから礼儀作法をきちんと心得ていますので、もてなす側も安心してお店にお任せできることでしょう。

法事では、なぜ鮨屋が人気なのか?まとめ


法事の儀礼の一部である「お斎(とき)」は、大切な故人への思いや僧侶や参列者への感謝を、心尽くしの料理でおもてなしすることにあります。

割烹料理は、茶道や料亭文化の様式を重視した懐石料理や、供養・布施を重んじた精進料理の精神が通った料理です。
その割烹料理の精神で握られた寿司は、まさしく「おもてなし」の精魂が込めている料理であると言えるのではないでしょうか。

法事の締めくくりである「お斎」ですので、法事が滞りなく故人を偲ぶ良い儀礼であったと全員が感じられる会食であることを願います。

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